国際・ローカルNGO、科学者他多くの方が何十年と力を入れて、文字通り雨にも負けず風にも負けずでアクションを続けられてきたおかげで、世界中の「子ども10人中9人」を児童労働から救い、教育の場に戻すことができた。
今でこそ、SDGsやESG投資、サステナビリティが世の中に少しずつ浸透してきてサプライチェーン上の人権問題にも目を向ける企業が増えてきたけど、そうでなかった時代に活動をされてきた方々の大いなる努力には本当に頭が上がりません。
それでも、今もなお1億5200万人の子どもたちが強制労働、子ども兵、人身売買、売春のターゲットとして、本来受けることができるはずの教育の機会や心身の健康が奪われている。
SDGsの1〜17の各目標の中に、細かいターゲットが設定されているのはご存知だろうか?
SDGs17の目標の中の8番「働きがいも 経済成長も」の中に、7つ目に設定されているのが、「2025年までに児童労働をなくす」だ。↓
SDG 8.7 「強制労働を根絶し、現代の奴隷制、人身売買を終わらせるための迅速で効果的措置の実施、最も劣悪な形態の児童就労の禁止・撲滅を保障する。2025年までに少年兵の徴募や利用を含むあらゆる形態の児童就労を撲滅する。」
コロナの影響もあり、教育を受けられるようになった子どもたちが、以前の本来いるべきではなかった”居場所”に戻らざるを得なくなっているケースも多い。
児童労働と聞くと、アフリカやインドなど遠い場所で起こっていることのように聞こえるけれど、日本人の私たちに関係ないことではない。
子どもが働かなければいけないのは、「彼らが貧困だから」では片付かない。
「安くて良いものを」を追求しすぎる消費者の行動や声が原料生産地での児童労働の”ニーズ”を高めてしまっている。
スーパーで売る価格を安くしようとすれば、原料費を抑えるしかマージンを取る方法がない。
そうすると、少しでも安く原料を買う、つまり安く原料を作っているところを探しに行く。そしてさらに買い叩く。彼らの生活はどうなるの。。。?
普段何気なく買っているチョコや洋服が、本来学校で受けられるはずの教育を奪われた子どもたちによって作られているものだったら、その商品に支払っている価格は”適正”なのでしょうか?
児童労働の7割がカカオやコットンなどの農業産業で発生していると統計が取れていますが、他にも、レアメタルの採掘も児童労働が深く関連しています。
レアメタル(希少な金属という意味)と聞くとあまり馴染みのない方もいるかもしれませんが、バッテリーや半導体(昨今世界的な不足で話題になっていますね。)に使われているコバルトやゴールド、プラチナなどの貴金属です。(別の記事に詳しく書きますね)
バッテリーに使われているということは、車、電池、家電、電動自転車など、半導体もスマホやPCなどにそのレアメタルが使われています。スマホの普及によって、バッテリーに使用されるコバルトの需要は爆増している。私たちの生活に馴染んでいるものものばかりを目の前にして「児童労働は自分には関係ない遠い国の社会問題」なんて言えるだろうか。
児童労働について今まで全然知らなかったよ〜〜〜汗)という方、大丈夫です。今までそういった問題を考えるきっかけがなかっただけだから。このブログをここまで読んでくださった今は、きっと数分前には知らなかったことを知っていただけたはずです。
じゃぁ、私たちには何ができる?←やっと本題。
日本ではまだ原材料などをトレースするシステムが発達していないけど、生産・製造工程に児童労働がないものを公表しているブランドを選ぶことはできます。
例えば、フェアトレードマークのついた商品を選ぶことだって、それも大きなアクションです。フェアトレード認証の基準のひとつに、「児童労働のない製造過程」が入っています(記事最後参照)。KALDIに売っているフェアトレードのオレンジチョコは、150円くらいだった。今はもう、必ずしも「特別な取り組みをしている商品=高い」ではなくなってきている。
高そう、って思わずに、まずはみてほしい。
例えばチョコであれば、こちらをご覧ください。
フェアトレードマークはついていないけれど、実は児童労働のないチョコレートには、ブラックサンダーもあるし小枝もある。
思い込みを一度横に置いて、まずは知っていただきたい。
明日の投稿に続く。
国際フェアトレード基準の原則(Fairtrade Label Japanより参照)
- 経済的基準
- フェアトレード最低価格の保証
- フェアトレード・プレミアムの支払い
- 長期的な取引の促進
- 必要に応じた前払いの保証など
- 社会的基準
- 安全な労働環境
- 民主的な運営
- 差別の禁止
- 児童労働・強制労働の禁止など
- 環境的基準
- 農薬・薬品の使用削減と適正使用
- 有機栽培の奨励
- 土壌・水源・生物多様性の保全
- 遺伝子組み換え品の禁止など