「夜まで」って何時まで?

「夜まで」って何時まで?

友達や知り合いに、イギリスの大学院に大阪からオンラインで通ってる、って言うと色々な反応が返ってくるのですが、毎日どれくらい勉強しているのか聞かれたことがありました。

私の回答は「朝から夜までかな」

だいぶざっくりな回答ですみません、という感じですが、まぁ毎日微妙に違うのでこんな感じで十分。

相手からの返事「え!夜9時とか10時まで勉強してるの?」

いいえ。違います。

夜まで、というのは、私の場合は平均して6時半まで。

夜まで、というのを、もっと細かく翻訳すると、「晩御飯を作り始める時間まで」という訳文になります。

この翻訳、特定の性別の方に向けて、日本語を日本語で訳しております。

私は子どもがいないので、夕方も中断することなく仕事したり勉強したりできる。

それでも、「あと1時間勉強したかったけど」と思う日は割と頻繁にある。(いやほぼ毎日)

幼稚園や保育園に通う子どもさんがいる女性は、もっと早い時間に夜が来る(来てしまう)はずだ。

もちろん、子どもの送り迎えや食事の準備に始まる家事全般を夫婦で分担しているご家庭もたくさんあると思うけど、全体的に見たらまだ「大多数の家庭が」とは言えないと思う。

それぞれの家庭の事情というものはあるかもしれない。

何年か前に、この記事を読んだ。

年収低い方が家事育児を担うのは当然か「俺ぐらい稼ぐなら喜んで仕事減らすよ」と妻に言い放つ夫

色々考えることはある。

  • 夫より妻の年収が低い場合、妻の時短勤務による減収額が夫のそれより低いから合理的?
  • じゃぁ、もし夫と妻の年収が同じ金額だったら、どちらが時短勤務するのが「当たり前」なの?
  • そもそも、「妻の年収が夫より低い」が一般的なのはなぜ?
  • 出産・育休によって昇進機会を逃していたとしたら、その間もらえるはずだった給料を足したら本当に夫の年収より低いと言えるのか?
  • 子育てや介護という無性労働を有償労働として算出したら、本当に妻の年収の方が低いのか?
  • 「子どもを産んで仕事を辞めた妻の生涯年収は2億4千万円の損」

「もう少し時間あったらあの仕事今日できたのに」と思いながら子どものお迎えのために早めに職場を出なくてはいけない時短勤務をしている女性社員の方々が肩身の狭い思いをしないといけないのはなぜだろう。

彼女たちは家に帰るのではなく、ケアワークというもう一つ別の”仕事”に移動しているのです。

いろんな点で男女格差を是正することを目標に掲げている企業は多いけど、給与格差の是正が社内制度が理由ですぐにできないのであれば、福利厚生で女性が無償労働によって犠牲にしてきた賃金をある程度穴埋めできるような制度を提供する方法もあるのでは、と思う。もちろんそれだって簡単にできることではないと思うけど。

待機児童問題は一つの企業が頑張っても解決できないかもしれないけど、自分の社員に救いの手を差し伸べることはできるのではないかと思う。食事のデリバリーや家事の外注に使えるバウチャーとか。

翻訳すると、〇〇手当とかではない、男性の懐に入らない方法の何かで。

でも、自分で考えておきながら、それは結局育児・家事は女性が多く負担している、という方程式の上に作った制度だから、結局は、女性に育児・家事が偏らないようにしないといけないシステムチェンジが必要なのでは、と思う。誰かにとやかく言われるのが嫌なのであれば、当事者が自分でマインドチェンジしてくれれば女性も男性もいろんな面で健やかな精神状態を保てるのかと。でも個人的に一人で頑張るのは苦しいから、男性も家事育児する時間が取れるような働き方をできるように、企業や国がやっぱり変わっていかないと厳しいのかなとも思う。これを書いてから投稿するまでの間に、こんなニュースが出てきたのでみなさまと共有。(いつも書き溜めてます。)

男性のパタハラ被害、4人に1人が経験。「男性育休」取得促進する法律が成立。変わる5つのポイント

社会が持続可能になるように、って企業はいろんな取り組みをしているけど、自社社員のWell-beingに目を向けられていない状態でそれより大きい規模の話を達成するのは難しい気がしてしまう。