扉が閉まってるのに入れと言われても(再エネの話)

扉が閉まってるのに入れと言われても(再エネの話)

こんにちは。こりんです。

前回の投稿でCO2のお話を書いたのですが、あの円グラフで、日本をタップすると、日本のどの産業セクターからCO2が多く排出されているか見れるんですけど、気がつきました?

まだの人、やってみて

Topの中国から日本まで、どの国も共通の傾向があるんですよね。

それは、各国のCO2排出関連セクターがエネルギー関連セクターであるということ。どーん。

はい、今日のメインテーマは、なぜ日本は再生可能エルギーの導入率が進まないのか、についてです。

ということは、逆算すると、エネルギー関連セクターからのCO2排出を減らさないといけない、ということ。

今、日本の再エネ導入率は18-19%で、先月日本は2030年での再エネ導入率目標を30%に引き上げました。

ちなみに、ニュースでよく出てくる46%というのは、2013年比CO2削減量の目標。でも国際社会からは日本は62%減らすことが求めらている。数字がごっちゃになるので、私の整理もかねてここに書きます。

「じゃぁ、風力発電所や太陽光発電所を今までよりもいっぱい作ろう〜!」

ちょっと待って。そうじゃない。いや、そうなんだけど、問題は別のところに(たくさん)ある。

そうしないと、いくら例えばTOYOTAが電気自動車を作ろうと、いくら太陽光発電所や風力発電所を増やそうと、それらを製造する過程で使用された電気が発電されるためにCO2が大量に排出されていたとしたら、意味ない。。。

先月、大学のグループ課題で日本の再エネ問題をケーススタディとして取り上げて、恥ずかしながら私もこの時初めて真面目に日本の再エネ問題を調べました。

エネルギー問題、技術的なことたくさんあるのでめちゃくちゃ苦手意識、、、なのに偉そうにこの記事書いててごめんなさい。でも、技術以外ところにも問題はあった。

そして、私のグループが注目した問題は、(風力やら太陽光やら)再エネで発電した電力が送電してもらえていないということ。

すっごく丸めて言うと、送電線への送電権を握る各地方の大手電力会社が、新規参入の再エネたちに送電の扉を開いていないということ。

え!!!!って感じです。

そうなんです。理由は色々あるのですが、その一つに、「今は稼働していない原子力発電が稼働した際に送電できるように、送電キャパシティーを先行予約してある」ということ。なので、本来はまだ少し(いや、だいぶ)キャパシティが空いているはずなのですが、キャパがないことになっている=つまりドアは閉まっている。それでもって、再エネ増やしましょう、と言っている。今日のタイトルの意味です。

例えると、

  • 新製品Yの年間売上目標は5億円です。頑張って売ってください!!!
  • 新製品Yの最大年間製造量は1億円分です。残りの4億分は、既存の製品製造ライン用にキープしています。でも廃盤にする可能性もあるからしばらく製造しないけど。

みたいな感じ?

つじつまあってないじゃないですかーーーーーーーー、、、、. . . . .

何年か前にFITが導入されて大小いろんな規模の太陽光発電所が次々と作られて、いざ送電!となったときに、電力を買ってもらえなくて(=発電してるのに送電できない)結局採算取れない発電会社は倒産、太陽光パネルを破棄せざるを得ない、しかも国はその廃棄費用のための助成金プログラムを作っている、という現状がすでに起こっています。

何のためにFIT導入したんですかーーーーー?しかもその助成金て税金じゃ、、、お金の回り方がおかしい。

シンクタンクを始め色々な有識者がこちらを問題視しているのに、なぜ進まない?

エネルギー関連を取り決める経産省で働く割と良いポジションのお役人さんたちが、再エネ以外のエネルギーセクターと関わりを持っていらっしゃることも理由の一つなのでは、というのが私たちのグループの一つの発見。

これはregulation captureという、本来規制を作る側のグループが規制される側のグループによって統制されてしまっている現象で、何もこのケースだけで起こっている現象ではないですが。

別に、賄賂とかそういう話ではなく、でも政治ってパワーゲームのようなものでもあり、そうすると自分と自分の周りにベネフィットがあるように持っていきたいですよね。政治家じゃなくたって、誰だってそう。

なので、人事的な面と、公平な立場からの法の整備が進まないと、いくら技術開発して、開発支援金を出しても変わらないのではと感じてます。。。

もちろんエネルギーにまつわる問題点はこれだけれはないのですが、ボトルネックのひとつが解消されない限り、いくら目標数値を高く上げていったとしても、永遠に机上の妄想となってしまう気がしてなりません。