ズドラーストヴィチェ!皆さんは、前回飛行機に乗ったのはいつですかー?
私はたぶん、2019年の夏にロシアに旅行に行ったときです。良き思い出。
(夫🇫🇷、義両親🇫🇷、私の四人で行ったので、一人だけ顔のタイプが違う🇯🇵からいろんなところでガイドだと思われ、滞在中レストラン、カフェ、美術館、クレムリンなどで現地の人にロシア語でたくさん話しかけられた。挨拶上手だったからって…スパシーバ(ロシア語で「ありがとう」)! ロシア横に長すぎて、東の方出身の方はアジア系な顔立ちの方もいるから無理もない。 ちなみにロシアの国旗はこっち向き🇷🇺。)
何も飛行機に乗ったことある読者の皆さんに対して「あなたは飛行機に乗ってCO2たくさん排出してるじゃないですか!」という気はありません。そのテーマじゃない。
あと、ロシアにいく時に乗った飛行機がタイトルのような飛行機だった、とかでもないです。それ大変。
でも、想像してください。
着陸することが許されない飛行機に乗っている自分を。しかもその飛行機のパイロットは、どんどん高度をあげていきいます。できる限り、1秒前、10秒前よりも少しでも高さを更新できるように。
こわいですか?そりゃ怖いですよね?だって搭載している燃料には限りがある、ってみんな知ってるから。
いつ、落ちるんだろう。あと何秒飛び続けられるんだろう。ていうか、飛び続けてどこを目指してるの?
私たちは今、この限りなく上を目指す飛行機に全員乗っています。え?コロナで国外はおろか国内出張・旅行も行けないのに?
この飛行機には形はありません。
!!!??????
そう、経済「成長」という仮面を被った”飛行機”です。
このメタファーは、私が大ファンのドーナツ経済学者Kate Raworth氏のプレゼンからお借りしてます。下に動画のリンク貼りますね。
ドーナツなんて甘い言葉使いながら、内容は甘くない。でも素晴らしすぎる><
国や企業がなぜなかなかシステムチェンジできないのか?、前回の記事の最後に残した問いですが、その答えが
この飛行機にみんな乗っているから、なのです。
日本に限らず先進国と呼ばれる各国は、次回のG20の”家族写真”に映るために前年のGDPを上回るように国の金融政策に始まるあらゆる手を使い、企業は、前年の売上を上回るように厳しい予算を設定し、そしていろんな手を尽くして達成していく。
もちろん「成長」が悪いわけではない。
その成長による利益が平等かつ公平に分配あるいは還元されていれば。でも実際はそうじゃないから問題なのだ。
SDGsの前身のMDGsが作られたのよりもーっと前から、持続可能な社会を作るために何十年も前から警鐘を鳴らしてきた多くの方々が唱えているコンセプトの一つが
この「脱成長」というコンセプト。
ここでいう「脱」というのは、何もマイナスの下降線とは少し違います。
限りなく右肩上がりの経済成長の形から、循環そして繁栄を経済のコンセプトの中心に置き換える、という考え方です。
サーキュラーエコノミー(循環型経済)も、ドーナツ経済への一つのステップ。
最初は理解するの難しいと思います。私も、大学院の授業で初めてこのコンセプトを読んだ時は、とっても苦労しました。
特に「脱」の意味をしっくりくるまで理解するのに。だって「経済=成長=◯」に疑いの目をかけたこと今まで少なかった。
「脱」の意味を最初の飛行機の例で例えるとすると、
いかに飛行機が建物にぶつからないでいられる問題ない最低限の高さで長い時間飛んでいられるか、ということに近いかな?(私なりに理解そしてアウトプットしているので、これが全てではないですが。)
もちろん、経済成長が悪いわけではない。
でも、国がGlobal NorthなのかGlobal Southなのかによって、活発になるべき産業は違ってくる。
Global North/Southを教科書で習う単語で言うと、先進国と発展途上国。でも発展途上って上から目線のすっごく失礼な表現だなって改めて心底思います。Global Northの人たちが「自分たちは優れている」「基準は自分たち」、と言う考えが溢れ出ている。
GDPじゃなくて、Well-beingで国を評価したら、きっと世界各国の並び順はガラッと変わるはずなのに。
ドーナツ経済学の提唱者であるKate Raworth(大ファン💘)は、経済学の研究一筋だったわけではありません。
彼女は、ザンジバルや国連で働き、各国の政策を作っている政治家たちのそばで問題の根底にあるものを見てきた方。
双子の母であり、育児などのケアワークなどに始まるジェンダー不平等を肌で体験してきた方。→無償労働と経済についても今度書きたい。
もしかすると1回では理解しきれないかもしれない。私もそうでした。
色々文献読んで、動画見て、他の学生と日本語&英語で色々意見交換して、
(同じプログラムに日本人の方もいらっしゃるので、日本語だとやっぱり細かいニュアンスも伝えられるのはありがたい)
初めてこのコンセプトを知ってから4ヶ月ほどたった今、こうして自分の言葉を中心に説明できるようになった。
そして「私がこの経済学者の大ファンです!」なんて文言を言う日が来るなんて、自分でも今年の1月まで夢にもみないほど全く想像していなかったー(白目)学部時代の国際金融学の授業の成績は公表できないくらい酷すぎる私。
だけど、このドーナツ経済学を知らずに「経済成長」と言う単語をターゲットに含んでいるSDGsが目指しているものは何なのかを理解することは結構難しいのでは、と感じたので、社会のSDGsに対する関心が高まっている今、皆さんと共有したいと思って今日はこのトピックについて書きました。勉強している私たちだけが知っているのではもったいなさすぎる!!!
それがブログを始めるきっかけでもあったのです。
彼女の数ある発表の中で、わかりやすそうなものを選びました。日本語の字幕もあるので、字幕ONにてぜひご視聴ください。