「みんなやってるSDGs」なんかちょっと違う。

「みんなやってるSDGs」なんかちょっと違う。

去年の1月に大阪に引っ越してきて、私の家の周りでよく見るんです、このラッピングバス。

ラッピングバス。「みんなやってるSDGs」
画像は https://www.kintetsu-g-hd.co.jp/csr/sdgs/ からお借りしました。

このバスを見て、皆さんはどう感じますか?

SDGsをアピールしていると見れるこのバスを見て、私は違和感しか感じませんでした。

というのも、

1つ目。

そもそも、SDGsは、Sustainable Development Goalsの略で、日本語だと、持続可能な開発目標

  • そう、目標なんです。目標というのは、いうまでもなく、達成しようとしている事柄のこと。
  • 目標を達成するには、「どうやってその目標を達成するか」のどうやっての部分が重要。

2つ目。

SDGs、みんなやってたら、ここまで悪くなってない。

  • もしみんながすでに行動してるのであれば、毎年記録が更新される異常気象とか、海に魚よりプラスチックごみの方が多くなったとか、多くの虫や動物が絶滅して生態系が崩れてしまった、とか地球の状態はここまでひどくなっていないはず。

3つ目。

私たちに必要なのは、PRではなく、実際のアクションじゃない?

  • SDGsの宣伝はそれを策定した国連機関がそれはもうすごい力を入れてやってくれているので、企業や個人に求められていることは、目標達成のために何ができるか考えて、自分たちの振る舞いを変えていくことなのに。
  • もちろんSDGsを知ってもらうことは取り組みを始めるスタート地点に立つために大切なこと。でも街のあちこちを走るバスの特性を生かして、その地域に住む人に、「こんなこと始めてみましょう!」「こんなアイディアがあるよ!」というようなメッセージを出して、みんなを巻き込んでいくようにしたらもう少し違う効果がある気がしてしまう。

近鉄グループのウェブサイトでは、事業に関連する目標に対して様々なアクションを取られているようなので、SDGsウォッシングみたいなことにはならないと思いますが、ちょっと心配してました。

  • SDGsウォッシングとは:SDGsに対する取り組みをやっているように見せかけるような広告・宣伝文句などを謳っているが、実際のアクションは取っていない状況のこと。
  • 他にも、グリーンウォッシング(「環境に優しい・配慮している」などという広告・宣伝文句などを謳っているが、実際のアクションは取っていない状況のこと)や、
  • ブルーウォッシング(国連の様々な機関と連携して活動しているように国連各機関のロゴ(←色が青い)をウェブサイトなどに並べているが、実際は何かのアライアンスのメンバーになっただけで、具体的な活動連携などをしていないこと)の事例もあります。
    近鉄が、じゃなくて、世の中全体でね!

私がこの事例を通して何を伝えたいかというと、SDGsを全面に出すのはもちろん悪いことではないけれど、私たちに求められているのは、実際に、具体的に、目標達成に少しでも貢献できるようにアクションを取ることなのではないでしょうか?ということです。

もちろん、一人ひとり興味や関心も違うし、実質、17全部の問題に対して取り組むのは難しい。私もそんなことできない。動物保護に取り組んでいる人が児童労働問題に関わっていないからその人は悪い、とかそういうことでは全くない。

でも、日常生活の中で、

  • お肉を食べる日は週に何回まで、と決めて試してみる
  • 使い捨てプラスチック製品には必要最低限のシチュエーションだけと決めて試してみる
  • このお菓子だけは、フェアトレードや児童労働のないブランドのものを買う
  • 世の中の流行りに惑わされずに、100点満点に気に入った洋服を長く大切に着る
  • 壊れたからといって、すぐ新しいものを買わない。修理できるものは修理する、あるいは誰かにしてもらう
  • 環境、ファッション、児童労働などいろんなテーマのドキュメンタリーを子どもと一緒に見て、それについて一緒に話してみる

など、これはほんの一例ですが、できることから始めることが大切かな、と思います。

SDGsの17の目標だけを見てしまうと、すごく大きなことに取り組まないといけないような気もしてしまうのですが、自分の生活範囲で何ができるか、何を変えていくことができるか考えて、実際に変えていくことが最も難しいけど、でも重要な部分だと思います。

私も、東京に住んでいた時、プラスチックゼロ生活に切り替えたのですが、最初は大変でした。でも慣れたら習慣になった。その体験談も、別の機会に書きたいと思います。

最後に。今回、近鉄バスを取り上げて私の個人的な意見を色々書きましたが、近鉄をバッシングしたいとか、そういう思いは全くありません。一つの事例としてお借りしただけです。むしろ、近鉄百貨店含め、いつもお世話になっておりますm(_ _)m 今後も、特定の企業の例などを事例として書くこともあるかもしれませんが、そういう目でご覧いただければ幸いです。